「北の大地」

 
 雪に埋もれたこの街を、今日も白魔が咆哮あげて駆け抜ける。石狩湾から吹きつける風が地吹雪となって男の家路をはばむ夜、やっと拾ったタクシ−も「俺だって帰れるかどうかわからないんだ!」と乗車拒否。コ−トの襟立て前傾姿勢で歩いても、真正面から襲う吹雪は容赦なく、やがて男は力尽き眠るようにくずおれる。あわれ、真っ白な雪に埋もれてゆく男の姿…。その顔は、どこか安らかでさえあったという。

  野村、一節唄います...(608K)

     北の大地はヨ− 篠路、屯田、あいの里 川のむこうはヨ−
   田んぼひろがる当別の 稔りも豊かなよいけしき
   今日も地吹雪 前がみえやしない ああ− このまま
   あなたに抱かれて 私は蝶になる

   北の大地はヨ− 雁来、丘珠、米里と 川のまわりはヨ−
   玉ねぎ畑がひろがって 道内有数の特産地
   今日も地吹雪 自宅へも帰れない 北区と東区
   オ−ロラがひかる 北の大地だよ