フォーラム1 市民コミュニティ
    「女性の視点から見たネットワークコミュニティの楽しさ」
    ・モデレーター 桜庭 望  (社会教育総合センター)
    ・パネラー   永野美恵子 NewCOARA会員(大分市)
            新藤理絵  DABESA会員(苫小牧市)
            冨山洋子  道新オーロラネット会員(札幌市)
            中村深雪  Ebic会員会員(江別市)
            工藤光江  NCF'97会員(北広島市)




鈴木です。開演前に吉村さんがモバイルコンピューティングの宣伝をしています。そ
ろそろ時間です。吉村さんが説明を始めました。

吉村「このプラザはきのうオープンしました。今日からいろいろやっていきましょう
。今日のフォーラムは前半は市民、後半はビジネス、としていますが、みんなそれぞ
れ市民であり、ビジネスマンでもあります。顔を分けず、裸になって進めなくてはい
けません。力をあわせて盛り上げていきましょう。では、司会の桜庭さん、お願いし
ます」

桜庭「パネラーをご紹介します。中村さん、永野さん、新藤さん、富山さん、そして
工藤さんです(拍手)。今日の趣旨は女性の視点から見たネットワークの楽しさを話
してもらうことで、結論を求めるものではないと思いましたが、全体司会からはバト
ルを展開せよ、と言われました。会場と双方向きでいきたいと思います。よろしくお
願いします」

(会場に資料が配られています)

中村「こんにちは。いまは無職で勉強半分、フリーター半分です。江別でインターネ
ットを初めて一年足らずですが、目を赤くして楽しんでいます」

永野「こんにちは。大分から参りました。気温の差が激しいですね。あちらでは半袖
のポロシャツを着ていて、オーロラの電子会議でコートを持ってきたほうがいいよ、
と驚かされてきました。生まれは兵庫県で転勤族です。とてもいいところなので、多
分大分で一生を終えると思います。いま、コアラがあってよかったと思っています。
主人と共通の趣味で六年前からパソコン通信に誘ってもらいました。最初は手を出せ
なかったのですが、いま毎朝最初にすることはパソコンの電源を入れること。一日中
、パソコンにかじりついています。七月にオープンするハーブ園の準備をさせてもら
っています」

新藤「苫小牧から来ました。東京出身で、六年前、転勤族の夫と苫小牧に来ました。
二年前にパソコンを買いました。それまでは縁がなかったのですが、子供の手も離れ
てきたので、子供マップなど活動を広げています。その一環として在宅ワークも少し
ずつ始めています」

冨山「こんにちは。運勢学が好きで研究してきました。その中でカウンセリングに出
会い、これこそ自分の求めるものだと思い、勉強してきました。その時、電話相談を
ボランティアでしていたが、こうした回線を使う方法が市民権を得たのだなぁ、と感
じました。パソコン通信を耳にした時、直観として、通信にネットにのる時代が来る
だろう、と思い、道新オーロラネットに90年入りました。途中から、ネット上で心
を受け止める人が必要だと思い、心の会議室のようなものを、と要望し、「クアハウ
ス」という場所を作ってもらい、今日に至っています」

工藤「もともと古くからパソコンを使っていたわけではないのですが、雑誌でパソコ
ン通信を知り、自分の知りたいことを知ることができると思った。いろいろな方と出
会うことができ、楽しく過ごしています」

桜庭「みなさんは、どのようにパソコン通信をしていらっしゃるのでしょうか。まず
、工藤さんに専門用語を使って結構ですから説明していただけますか」

工藤「アメリカのサーバーをレンタルしてホームページを開いています。ここを使っ
てメールのやりとりをしたり、仕事につかっています。ページの制作もしています。
そのためにサーバーが必要だったのですが、これを始めた95年頃は国内では求める
状態ではなかったので、アメリカにサーバーを置きました」

桜庭「ネット上で仕事をされているということですね。富山さん、電子会議室の「ク
アハウス」について詳しく教えてもらえますか」

冨山「これは仕事ではないのです。ネットを通じての一つのエピソードをお話しまし
ょう。
ある日、私のところに一人の青年が訪ねてきました。「私の留守中に、ある青年が相
談のため訪れたのですが、留守だったため、玄関のあたりにたたずんでいて、帰宅し
た私が見つけて問いただしたら、大阪弁で弁明しました。話をまあ聞きましょう、と
いろいろ話したのです。いまとなっては私は何も覚えていないのですが、しきりにパ
ソコン通信の良さをいろいろ喋っていたというのです。で、彼は帰途、ワープロを購
入し、すぐにオーロラネットに入ったのです。
とても人気者になり、友達がいないどころか、たくさん友達が出来ました。
暮れにまた来訪しまして、自分がしたいことをいろいろ考えました。彼は失意の日々
に北海道に来て、大自然とユースホステルに助けられた、とのことでした。自分も、
そういう場を提供する人になりたい、でも、金もないし、と言います。励まして、シ
ュミレーションをしてみました。ユースホステルで若者と触れ合いたい、と言うので
、段取りや計画ノートに書き出してもらいました。
やがて、土地が弟子屈町で手に入った、と知らせてきました。家族もみんな協力して
くれることになりました。その過程でオーロラの会議室に「サンボ独立共和国」構想
を発表しました。そうしますと、なんと、驚くことにネットの中にいたそれぞれの分
野のの専門家が応援を申し出てくれたのです。設計、企画、内装・・・。そして、つ
いに彼の夢が実現しました!
彼はいま、とてもはやっているユースで必死にはたらいています。夢を現実にしたの
です。ネットワークには、そういう力があります。インターネットではもっと大きく
膨らましていけるという直観を持っています」

桜庭「しみじみとしたお話をうかがいました。その間、吉村さんがホームページを見
せてくれていました。これが工藤さんのページです。冨山さんもいま作られているそ
うですね。楽しみにしています。新藤さんにDABESAのお話をうかがいましょう」

新藤「96年7月、NCFの苫小牧版ということで出来たそうです。秋に仲間になり
、いま110人おり、そのうち女性が30人ほどいます。このような団体としては、
女性の割合が高いのでは、と思います。そこで、女性同士の集まりを作ろうというこ
とで、「リラズ」というグループを作りました。自分たち専用のホームページを作ろ
う、とか、データベースを作ろう、とか夢は大きいのですが、いまのところは井戸端
会議的に交流しています。とても楽しくやっています。
・・・これがDABESAのページです。これとは別に、北海道新聞苫小牧支社で作
る無料配付新聞にコラムをもらい、先月から掲載し始めました。参加を呼びかけたと
ころ、六人からファクスや電話があり、メンバーの家で簡単なメールを書いてもらい
、あらかじめ打合せして、返信がすぐにあるようにしたりして、地元から仲間を増や
していっています。あ、これはうちの子供の絵ですね(微笑)」

桜庭「大分から来られた永野さんにお願いしましょう」

永野「三年前ぐらいに、コアラがインターネット接続すると聞き、それまでは、ワー
プロで通信していたのですが、これからはパソコン、とコアラの会議室でいろいろ質
問して、二年前に主人の誕生祝い、ということて買いました。
それまでは文字の世界でしたから、絵が出たことに驚きました。一人一ホームページ
ということで、購入二ヵ月後にホームページを作り、基本を私が作り、主人が英訳し
てくれました。ちょくちょく情報を入れ換えて、これを見た方80人ぐらいとメール
の交換をしています。英語のメールも主人との協同作業です。世界中に息子と娘がで
きたような気持ちです。
ドイツの娘さんからは別府の学会のためホームステイを、ということがきっかけで、
お引き受けしました。ほんとうに日本のお母さん、という感じで親しくなりました。
アリゾナ州の男性は息子以上に訪問してくれます。九州は大分以外知らないそうで、
この前、ようやく博多に行きました。入れ違いにロサンゼルスから人が来る予定もあ
りました。いろいろな方が来ています。私たちも行きたいと思っています。
北海道関係では、正月に北見からオーロラの会員さんが来られました。祖母の生まれ
育った村を見たい、ということで、ルーツ探しをみんなでして、ついにおばあさんが
生前立てた墓を見つけることができました。このように友達がたくさんできて、いい
ことだと思っています。
私のホームページは、自分の記録として自分で描いた絵などを載せています。心掛け
ているのは、大分の「いま」を伝えたいということです。トップページは私の家から
見える由布岳です。絵は季節ごとにかけ代えています。花が季節感を良く伝えますの
で、いろいろ載せています。こちらにきたら、大分ではもう散った桜がさいているし
、季節を感じますね。こうしたページは寒冷の地であるノルウェーの友人にも喜ばれ
ています。いつまで続くのかな、とも思いますが、見ている外国の方から、今度はな
に、とメールが来たりしています。ニューヨークから、ホームページの絵を見て大分
に来てみました、という方もおられました。いろいろな方がおられます。私たちには
息子は一人しかいませんが、ネットを通じた子供たちがあちこちにできたようで、忙
しくて嬉しくて、という日々です」

桜庭「独特の画風を確立されておられますね。もちろん、これからも続けられますよね」

永野「主に日本の風習や季節を描いています。いろいろ考えるのも楽しいことです。
先日は外資系の会社からイントラネットのトップページに、という求めをいただき、
主人は掲載料でも出るのでは、と懐勘定をしたようですが(笑)、私は喜んであっさり
承諾いたしました。、アルバイト、というには、なかなか踏みだせませんが」

中村「私は、パソコン通信のときはメールのやりとりをしている程度でした。それも
知り合いだけでした。そんなとき、EBICを知りました。無料の講習会があったり
、同じ市内だからだれか助けてくれるかなぁ、と始めました。いろいろ機械などを買
い足して、線をつないで、わー、やった、という日々でした。
ホームページも自分でも作ることができる、とわかり、やってみました。昨年暮れ、
一ページ作りました。自分も絵を描くのが好きでしたので、ポストカードみたいなも
のをと思い、作りました。DEEP SNOW LANDといいます。冬に始めたの
で雪をイメージしています。
私のページでは、心臓病の子供を守る会の紹介をしています。これが全国本部の知る
ところとなり、いろいろな方からのメールが来るようになりました。一日に5,6通
来ることもあります。病気で通じているのですが、これを発展させて本部と協同して
いきたいと思います。
ある日、「向かいのオジサンです」というメールが来ました。これが、本当に自宅の
向かいに住んでいる人で、普段は普通の近所付き合いしかなかったのですが、近いの
に遠い、遠いのに近い関係に最初は母ともども笑い転げたものでした。このことを北
海道新聞の「いずみ」欄(投稿者を女性に限定している北海道新聞生活面の人気コラ
ム/鈴木注)に投稿したら、掲載されたんですよ。ここは氏名が出るところなので、長
く連絡がなかった人から電話をいただきました。それをまたお礼かたがた、ホームペ
ージに載せました」

桜庭「一通り、みなさんのされていることをうかがいました。会場を見ますと、今日
の参加者は男性が多いよう。女性なるがゆえにネット上で迷惑をこうむったというよ
うな例はありますか」

記録者 鈴木隆司(前半)


<桜庭さん>
女性の方が少ない。ネットワークに沢山入ってほしい。
富山さんなにかおもしろいメールきたりしましたか?

<富山さん>
ちょっと感じたことがある。
返信で相手のメールを引用するが、それに慣れていない。
自分のメールが引用されて、自分に帰ってくるのに違和感がある。
安いサンドイッチみたいで、どこに意見があるのかなと思う。

<EBICの島田さん>
インターネットのホームページにはパソコン通信のようなインタラクティブ性
がない。それをどうしようか困っていますが。
どういうふうにインタラクティブ性をもたせているの?

<永野さん>
おかしの作り方はだいたいおなじページなので、私はいろいろ工夫している。
海外から、質問がいろいろきて、文章できたものを、おかしの作り方の絵にしたりして
いる。

<EBICの溝口さん>
EBICの女性の活動をもりあげたいとかんがえるが。
女性だけの井戸端会議をオープンにできますか。

<新藤さん>
基本的には女性だけ。イベントとかを全体に報告したりする。
男性には管理者として数名に入ってもらっている。
女性だけだから奥さんも入ってくるのだ。

<桜庭さん>
電話代はどのくらいですか。

<工藤さん>
電話と2万円ちょっと。

<富山さん>
1万円

<中村さん>
家族5人で、インターネットをやってから7倍になった。18000円程度。

<新藤さん>
1万くらい
主人いわく。「これで女房の機嫌がいいならいいよ」

<永野さん>
NTT実験専用線を使っていたので常時利用で快適だった。
引き上げられた時には18000円だったが、やりくりをして
14000円になった。
他の女性にすすめても通話料金がネックになる。
すべての料金をあわせて15000円程度が妥当か?
ハイパーカンプを利用してみてください。

<桜庭さん>
なぜ女性の会員がすくないのでしょうか?

<富山さん>
機械が難しい。それを乗り越えるための動機つけが必要。

<工藤さん>
母にすすめるが、おもしろくないということ。
こんなめんどくさいことはしたくない。キーボードがやだ。

<中村さん>
おんなのひとはふでまめがおおいが、機械をさわるのはやだ。
壊れたらどうしよう。高い。安くてかわいいのがあれば買うかも。

<永野さん>
アメリカはインターネット利用者の41%が女性、
(ビジネスウィークから)そのうち
40−49才が26%
65歳以上が5%
日本は利用者の16.7%が女性で
60歳以上は0.3%
日本は会社での利用がおおいのではないかと思う。
コアラでは沢山助けてもらっている。

<新藤さん>
日本では一般的ではない。

<桜庭さん>
EBICの方にはバックアップしてほしい。
EBICではバックアップしていますが、
こんなことをしたら増えるのではないかということはありませんか。

<EBICの島田さん>
えさが必要。

<EBICの重田さん>
聞く相手がいない。聞ける地域のコミュニティが必要。

<永野さん>
コアラにはいろいろサポートがある。

<工藤さん>
これから増えていくのではないかな。
女性だからあまやかしてくれないか。
女性むけの機能。

<枡谷>
女性とわけなくてもいい。

<EBICの重田さん>
プラザの利用時間帯は役人的だ。

<町田さん>
利用団体がつかっているところだ。
今のところは一般的ではない。
活動をする拠点。

<桜庭さん>

皆さんの今後の豊富を御聞かせください。
<中村さん>
私がおしえるからといって増やす。

<永野さん>
(近くの人は電子会議での話しが多い)
インターネットを使える仲間をふやしたいというのが基本。

<新藤さん>
私のような主婦には平日の昼間にあいているプラザはいい。
イベントとか、もっとやってほしい。
インターネットではかならず人間がいるので、
人間対人間の付き合いができればいいなと思う。

<富山さん>
自分の年齢は1.03にはいるのかなとおもう。
技術面でそこまでおいついていけるのかなと思う。
いくつまでもがんばってみたいとおもう。

<工藤さん>
NCFでもっと女性が入ってコミュニケーションをとっていただければいいと思う。
是非たくさんの人につかっていただいてもらえばいいと思う。

<吉村>
人間が好きなんだ。

後半記録 中山