記念講演2
    テーマ:「インターネットから始まるディジタル情報流通革命」
    北海道大学教授/北海道大学大型計算機センター研究開発部長 山本 強氏


「インターネットから始まるディジタル情報流通革命」
北海道大学教授/北海道大学大型計算機センター研究開発部長  山本 強氏

1995年あたりがインターネット元年だったが、
それを使って何かがはじまるのは今年ではないか?
インターネットはゴールではなく、これから何が出てくるかが本質。
そのあたりの話をしていきたい。

インターネットは「はまる」。使い始めたい人は「やめない」。それはなぜか?
たとえば、電話を例にとると、ある瞬間に家にはいりそれからどんどん普及し、
そこから派生するビジネスが広がっていく。
大きなポイントは「インターネットにつながったパソコンは「自家用車」の役割
を
行うのではないか?」ということである。

(デジタル情報流通革命について)
1985年:786があれば(数億円)あれば何でもできた
5年後:数百万円で、千倍二千倍のパフォーマンスができた。
その後、値段千分の一で数百倍の性能のぱそこんを取得することができた。性能
が
どんどん向上している。
従来のニューメディアはコストの割に産業にならなかったが、現在は、デジタル
ネットワークがコストに割はあるが、問題はそれが本当に必要かどうかという点
になった。

(インターネットとは)
それは鍵であって情報ではない。線をベースにこれから始まるといったもの。
ホームページは使い方の一つの例である。我われが表現したいものを表現する一
つの
媒体にすぎない。

(統計からみるインターネット)
自家用車感覚:一回買うともうやめられない。(コストがかかっても)CF:携
帯電話
インターネットは使ったらやめられず、それによって産業が広がり、インフラが
広がっていく。
大学は早い次期に普及。大学や教育機関である商品が先に入るというのはごく稀
なこと。
92年:「インターネットを何が何でも大学に入れる」という施策はあまり知ら
れていないこと。

(インターネットの現状認識)

95年のターニングポイント
「インターネットがスペシャリストから一般のユーザーへ(プレイヤーがかわっ
た)」
さまざまに問題が起こるのは当然。
インターネットを使った人はやめないが、それを普及させるためには、効果が明
確に
ならなければならない。
(どうして必要か?と問われると、「ないと困る」としか言えない状態)

(インターネットのゴールとはなにか)

ゴールは一つではない。
永遠のメディア実験場である。インターネットで行うのが一番簡単である。

(インターネットのコミュニケーションツールとしての役割))

インターネットとは何かをたずねると、使っている人ほど「電子メールが役立
つ」
と答える。
”イスではなく人につく住所”
(例)お役所の方と話をするとき、以前は係りの方と話したものだが、現在は個
人
と話ができる。(アドレスは個人につけるべき)

「手紙」は日本では”情緒”であったが、欧米では公開するもの。電子メールは
その流れをくんでいるため、日本の手紙が電子化したと考えてはいけない。

(電子出版の実例)
「置き換える」というものではない。(本も新聞もなくならない)
コンピュータが入って変わったのはデータベースの多様性を利用できること。
今は名詞にホームページやアドレスをかくのはださい?(サーチエンジンで探せ
るから)

(リアルタイム情報サービスの例)
ビジュアルの延び:いかに文字からビジュアルに訴えわかりやすくするかの段階
日本は“文書”で情報がくることが多いが、欲しいときに見れない。二次加工で
きる
状態でなければ意味がない。(たんに、見た目が派手ではいけない)


(インターネット上の表現メディアの変遷と世代交代)
電子メールとファイル転送はなくならないが、そのほかのものは?

(pull型サービスとpush型サービス)
普通の人がインターネットを自分のために使うようになってきた。そこにマーケ
ット
が発生する。
○プル型(ほしいものをもってくる)→最初はアクティブな人が使っていたから
ここか
 ら流行った。(インタラクティブ、オンディマンド、www、サーチエンジ
ン)
○プッシュ型→現在は普通の人の感覚で受け入れられるもの。passiveな
もの。
 向こうからくるもの(メールサービスなど)

(push型:北海道での試み)
livetext display
○道新の見えるラジオ、テレビの文字情報を、グラフィクを使って好きな見方が
できる
 ようにする。
○ 電送媒体を限定しないので、文字多重放送などとも互換性がある。

(インターネットの魅力)
○感覚的に“電話”や“自動車”と同じものである
◎ インターネット普及の原因→html編集がとても簡単であったこと

(コミュニティネットワーク)
○生活圏の情報インフラとしてネットワークをつくる
○ ネットワークは手段であるため、これを使って何ができるかが重要
(ネットワークのためのネットワークであってはならない)
○ 縦のネットワークから横のネットワークへ
(大学や役所は縦のネットワーク?)

(インターネットは何をもたらしたか)
○ 本物とのコンタクトができる
○ 人がみてることを実際に感じ取ることができる

(デジタル通信革命は画面の上のことだけか?)
「見える」うちは本物ではない。「見えないネットワーク」が本物と
なった時である。
○ vics道路情報システム
○ TVFMの文字多重放送など

「インターネットはからっぽの洞窟」=本物の証である
                  空っぽにするかどうかはその人次第。
(例)CATVインターネット実験
  「家族全員分の電子メールアカウントがほしい」とお願いし、娘さんが
よく使用している。先生も娘さんとも電子メールで交流ができている。
(もとをとったか!?)
使える人間と使えない人間の差はこれからも開く。地域のインフラを充実させ
使える人間をどんどん増やしていかなければならない。


(質問)
1「電話系、映像系と融合して見えないところで空気のように使えるように
なるタイミングはいつごろくるか?」

今の使われかたは過渡期である。移動体通信がフルタイムで使われるように
なるのがそのタイミングのときか?意外と早く、5〜6年後にはできるので
はないか。(2003年頃?)

2「メールアドレスを部課ではなく個人名でという話があったがなぜか?」

電子メールは住所である。一般に、住所や電話番号はかわる。部課宛にメール
送信した場合、人が異動してしまうと違う人がメールを見ることになる。電子
メールをかく時は「個人宛」のイメージがある。(電話の場合は「担当者
宛」?)