記念講演3
    テーマ:「中小企業からベンチャー企業へ」
        −ネットワーキングによる産業の活性化を目指して−
    NTTマルチメディア推進本部 マルチメディアビジネス開発部担当部長
      佐藤和彦氏(株式会社ミュージック・シーオー・ジェーピー取締役)


「中小企業からベンチャー企業へ」
  −ネットワーキングによる産業の活性化を目指して−
NTTマルチメディア推進部マルチメディア開発担当部長
 (株式会社ミュージック・シーオー・ジェーピー取締役)佐藤和彦氏

0.はじめに
・ベンチャー企業:企業の捉え方を「量から質」へ変化させるもの。
1.現状
企業の倒産
	 ここ数年、日本では廃業率が開業率を上回っている。
	 日本(国)も倒産寸前の大変な状況。失業率も増加。産業の空洞化も進展。
	空洞化の原因は、人件費の高さ。(日本は、世界トップレベルの人件費)
	日本バッシングからパッシングそしてナッシングへ。
	
産業社会のサービス化
	サービス産業、ソフト産業に潜在市場がある。
	
2.今後の取組み
	・中小企業の実態
	 全体の9割強が中小企業。
	 中小企業の活性化・発展がどうしても必要。
	・インターネットの実状
パソコンユーザーの年齢的な広がりが見られる。

インターネット等ビジネス利用パターン
	インターネット広告
	 バーナー広告、PCN
	コミュニケーション
	 データを共有しながらテレビ会議
	 ISDN回線は、125万ユーザに増加。
	エムネットジャパン
	 富沢さんという女性が起業。
	 全国2000名を超える女性・主婦を会員。緩やかなネットワークを形成。
	 雑誌の編集等の業務を受託。
	EASY
	 カジュアル衣料の通信販売。
	 「岸本屋・山科店」が元。
	 店舗の売り上げ1.2億円うち12%程度がインターネットによる売り上げ。
	 学生時代は魚屋でアルバイト。
	 インターネットは、「シェフのおすすめ」的な売り方を展開。
	 メールで注文を受け、24時間以内に発送。
	 インターネットの前に「普通のビジネス」が必要。
	 →的確な買い付け。商品の質。普通に売れないものをネットに乗せても売れな 
@   い。
	アクシアム
  ベンチャー企業へ経営者(管理者)を斡旋。→インターネット利用
	ビジネスコープ
	 大企業の福利厚生施設を中小企業に斡旋。
	XXエンジニアリング
	 中古機械の販売
	 高額な商品を扱うには、相手方の信頼度をどのように評価するのか?

インターネットビジネスの神話と真実
ホームページを開設すれば、世界数千万のユーザがアクセス?
高速回線を利用すれば快適?
派手に宣伝することが成功の秘訣?
インターネットは道具であり、目的に応じた使い方が必要。
商品に魅力が無ければ無理。
モールに魅力は無くなってきている。
中小企業ベンチャー企業の課題と対策
	人:マネージメント不足、後継者不足
	物:商品開発力の不足
	金:ベンチャーキャピタルは100を超える。
	
公的支援 
	手続きが煩雑。
	時間がかかる。必要なタイミングで資金調達ができにくい。

規制緩和
	インターネット利用に関する規制はグレーゾーン。
	グレーな部分には、実績を積んでいくことが必要。
	 →音楽の権利関係の取り扱いは、制度が後からついてきている。
	
ベンチャー支援の課題と対策
	所要時間不明→標準処理期間の設定
	目利き不足、キャピタルに判断する能力が無い。→外部ブレーンの活用
	支援体制が縦割り的
「ここに来れば何とかなる」という場所が必要→インターネットの活用
リアル←→バーチャルのシナジー的効果を期待。

まとめ
	インターネットでのビジネスは困難な点もあるが、道具としてうまく使うことが必
要。
	インターネットからヒューマンネットワークを広げる。
	「広く浅く」ではなく、もっと絞り込んだ支援が必要。
	
質疑
米国の大学の事務組織はどのようになっているのか。

→アシスタントがたくさんいる感覚。
 かつてはプロジェクトが目立つ時期も合ったが、目立っているのは個人による取
組み。
ライセンシングオフィスが特許・権利関係の処理を実施。


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NCF 速記班です。
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