水ロケットとは,水と空気の圧力で飛ぶ全く害のない地球にやさしいエコロジーなロケットのことです。
(2)水ロケットの作り方
・まず,炭酸飲料の空ペットボトル1.5lを5本用意する。
(このとき,ウーロン茶等の角のあるボトルを使うと,空気をいれる時,圧力で破損する恐れがある。)
・次に,ロケット本体と羽を作り取り付ける。
写真1 ペットボトルを切る。
写真2 ペットボトルをつなぐ。
写真3 アクリル板で羽根を作る。
写真4 ペットボトルロケットの完成。
(3)発射場所
ロケットは100m近く飛ぶことがあるため,広い場所が必要である。少なくとも縦150m,横60m,高さ30mの範囲が必要になる。
飛ばすときその範囲に障害物がないこととロケット後方に人がいないのと物がない事を確認してから発射する。
(4)条件の変化
実験は水の質量と水の種類と圧力の3つの変化をつけて行う。
・水の質量は350ccと400cc。
・水の種類は水道水と食塩水
・圧力は自転車用空気入れで40回と60回。
●4.結果
※AとBは質量の変化,CとDは水の種類の変化,EとFは圧力の変化を表わしている。
※AとCとEは,同じ条件である。
●5.考察・まとめ
☆結果より,遠くに飛んだ順からD,B,F,E,A,Cである。
(1)水の質量と飛距離の関係
質量が大きいと,遠くに飛ぶ。(それは,350ccと,400ccでは,400ccのほうが遠くに飛んだためである)
(2)水の種類と飛距離の関係
水と食塩水では,食塩水の方が良く飛ぶ。(水より食塩水の方が質量が,大きい為である)
(3)圧力と飛距離の関係
圧力が大きいと,遠くへ良く飛ぶ。(自転車用空気入れで,40回入れた時と,60回入れたときとでは,60回の方が遠くに飛んだためである。)
(4)研究のまとめ
ペットボトルロケットの発射速度は次の式で求められる。
(ボトルの発射速度)=−(水の質量)×(水の放出速度)÷(ボトルの質量)
●6.ロケットが飛ぶ理由
世の中には『運動量保存の法則』という法則がある。内容は「あるシステムに外から力が加わらない時システムの運動量は変化せず一定に保たれる。」である。
運動量とは速度(V)に質量(m:重さに比例した量)をかけたものである。したがって,「同じ速度でも重いものの方が大きい運動量をもつ。」ということである。
今,システムが二つのものの集まりから構成されていてその各々が異なる質量(m1とm2)そして,異なる速度(v1とv2)をもっているとする。とそのシステムの運動量は(m1・v1+m2・v2)である。今,(v1)が(v1+△v1),(v2)が(v2+△v2)となっても「運動量保存則」により運動量は変化しないので次式が成立する。
m1・v1+m2・v2=m1(v1+△v1)+m2(v2+△v2)
ゆえに次式を得る。
m1・△v1=m2・△v2
つまり,
△v2=-(m1/m2)・△v1
である。この式は,質量(m1)の物体の速度が(△v1)と変化すると質量(m2)の物体は質量(m1)の物体の動きと反対方向に(m1/m2)・△v1の速度変化を生じることを表わしている。
では,水ロケットの場合どうなるだろうか。
m1(水の質量) △V1(水の速度) m2(ペットボトル本体の質量) △V2(ペッ発射射直後の初期速度)
となる。
したがって,初期速度が大きいと,高く,そして遠くに飛ぶ。△V2を大きくするためにはm1あるいは△V1を大きくすればよい。ペットボトルに水を入れ,水を噴き出せるのはm1を大きくするためである。
次に△V1を大きくするためには,ペットボトル内の圧力をより大きくするとよい。これはペットボトル内と圧力の差に比例して水の噴き出す勢い,つまり△V1が大きくなるためである。ペットボトル内の圧力を大きくするには,ポンプをおす回数を増やせばよいことである。
●7.感想・今後の課題
(1)感想
この実験は,少し難しかったが,前からTVなどで知っていて非常に興味があった。
水ロケットは,遊びと考えてい者や,飛ばしたくても場所がなく飛ばせない者もいた。なので,メンバー全員にとって有意義なものであった。実験終了後全員が,面白かったとくちずさんだ。そのことから今回の取り組みは成功といえるだろう。
(2)今後の課題
a.色々な水溶液で、実験する。
b.空気圧も限界まで上げて飛ばして見て、飛距離がどのように変化するのか調べる。
c.タンクの大きさもかえて見て飛距離の変化など調べる。
d.発射時の角度に変化をつけて,飛距離を調べる。