chiteki.1

CHAPTER 2   CATと…
   

 床に目を落としてみると、9つのお皿にキャットフードが入っている。9匹の猫と暮らしているとは聞いていたが・・・、見あたらない。食器棚の上と、椅子の下を指さされ、よく見ると、いた。いらっしゃった。グレーや白の猫たちが、部屋にしっくり溶け込んで。「この猫の名前は?」「トンビ」。「この猫は?」「クッキー」。「これは?」「はなび」。その他、「パセリ、おここ、ミヤ、マダ、バーボン、うさぎ」。設楽さんの「同居人たち」の名前である。長年飼っているそうで皆さんお年を召している。そのせいか、動きがゆったりとしていて、実におとなしい。  設楽さんは時々「彼」、「彼女」たちと家の裏手にある林へ散歩に出かける。目的地はしばらく行ったところにある広場。そこで設楽さんと猫達は丸く輪になり、「猫会議」を開くのだそうだ。お互いの顔を見たり、ちょっと鳴いてみたり。設楽さんもしばらくの間、参加する。その光景を、ちょっとのぞいてみたくなった。



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